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森で、木の服を脱がしました

「皮むき間伐」に初挑戦
ただ「切る」だけじゃない、森の守り方
小学校の授業で「森を守るために、木こりさんは木を切ります」ということを聞いて、
「なんで木さんをいじめるの(涙目)」と疑問に思ったことがあります。
わたしもずいぶんピュアだったみたいです。
近年注目されつつある林業の重要性。
森にしっかりと人が入り、手入れをしていくことで、サステナブルに森からの恩恵を受けられるようにしていきたいものです。
そして間伐も森を守るために重要な仕事です。
先日わたしは初めて森に入りました。
そして想像もしなかった間伐方法を知ります。
それが「皮むき間伐」、文字通り「木の皮をむいて間伐する」方法です。
木の服を脱がします。平日の昼間から大胆です。
チェーンソーもヘルメットもいらない
「森に入って間伐に行こう」と友達に言われたら、あなたは何を持っていきますか?
(そんな友人、なかなかいないけど)
わたしはチェーンソーとヘルメットがまず浮かびます。
なんとなく木に登って確認して、降りてチェーンソーでブイイイイイインと切っていくイメージが浮かびます。
でも今回森にもっていったのは、スマートなのこぎりだけ。
(え、これで木を切るの?明日これめっちゃ筋肉痛のパターンじゃん…)
そんなわたしの重たい気持ちとは裏腹に、身軽にひょいひょいっと森に入っていきます。
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今日は木は切らない
森に入って間伐する木を決めます。
そしておもむろに小さなのこぎりで木をガリガリやりはじめます。
(サ) 「はい、これでおっけ」
(私) 「え、これじゃさすがに切り倒せないんじゃないですか」
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(サ) 「今日は切らないから」
(な) 「えーーーー!」
さて脱がしていきましょう
そして今度はのこぎりでつけた傷をから、木の皮を上方にえぐっていきます。
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2人がかりで木の皮をむいていきます。
指のささくれをすぐひっぱりたくなっちゃうあなた、必見です。
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ものの3分ほどで、10メートルぐらいの高さまで木の皮がむけてしまいました。
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あら、やだ。
触ると水分がびっしりなのがよくわかります。そしてとてもつるつるです。
木の服を脱が、、、じゃなかった、木の皮を剥いだどころはこんな感じになっています。
最後にもう少し切り口をのこぎりでガリガリやって、今日のところはこれで完了だそうです。
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「皮むき間伐」とは
「皮むき間伐」とは、よくイメージする間伐と少し異なりますが
最終的にはチェーンソーで切って木材として森から搬出します。
ではなぜ、最初から木を切らず皮を剥くのか。
それは「木」が「木材」になる過程を知ることで納得ができます。
木が木材になるには、実はいろいろな工程が必要なのです。
木を伐採したあと、森から搬出、そして乾かします。
実はこれが意外と大変とのこと。
切りたての木は水分を多く含み、非常に重たい。
これらを森から搬出するのは非常に大変な作業で、事故の危険も伴います。
ただ切る前にこの「皮むき」をしておくと、木が直立したまま死んでしまい水分がどんどん抜けていきます。
(最後にガリガリしたのは、木の道管(根から吸い上げた水分を上に上に運んで行く管)を
切る意味があります)
そうすることで木が乾燥し切りだすときには、大変軽く搬出しやすくなるようです。
さらに、乾燥という工程も、直立ししたまま徐々に自然乾燥させることができるため、
木材を長期間乾燥させておく場所や木材乾燥機が必要なくなる、
ひび割れが少なくなるなどの利点もあるようです。
だいたい1年ぐらい乾かして切りだすようです。
来年どのような形でお会いできるのかがちょっと楽しみです。
<まとめ>
「皮むき間伐」は、木の皮をむき、直立したまま乾燥させておくことで
 ・ 搬出時の負担が小さくなる
 ・ 乾燥の場所・乾燥機が必要ない、ひび割れが少なくなる
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それにしても木を脱がすとあんなにつるつるなのですね。
ちょっと、、、むふ、くせになりそうです。
いいな、ちょっと体験してみたいなという方はこちらまで。